江口 歩  Eguchi Ayumu       
 

1964年生まれ。レコード会社に勤めながら、1986〜89年 劇団 遊◎機械/全自動シアターに所属し舞台に立つ。その後 出身地新潟へ戻り1997年 お笑い集団「NAMARA」結成。数々のイベントを企画、編集、総合プロデュース。ラジオ、TV番組への出演ほか、司会、執筆など様々な活動をしている。


 

道具としての笑い
新潟のお笑い集団 「NAMARA(なまら)」代表の江口です。
この度コラムを担当することになりました。
お笑い集団がなぜ看護関連のホームページに?
しかもなんで新潟なの?
よっぽど困っているのこのホームページ?
さまざまな疑問と憶測が交錯するなか、早速コラム開始です。

 

 
vol.16
  みなさん大変ご無沙汰しております。
2005-2-18
 

 

みなさん大変ご無沙汰しております。
新潟お笑い集団NAMARAの江口歩です。
先程このコラムを拝見したら一年以上も書いていませんでした。
この一年新潟では水害、地震、豪雪と災難が続いています。
蓮池さん、曽我さん、横田さんらの拉致問題も新潟。
そんな新潟から全国へ笑いを届けようと未だに活動しています。
我々もこの一年様々なことがありました。
福祉だけを限定してお話しましょう。

実は僕は下肢不自由により身体障害者手帳五級を持っています。
同じ障害者ということで身体障害者の大会に出演することが多くなりました。
そして少しでも身体障害者が住みやすい町になるような活動にも参加するきっかけが出来ました。

私のラジオ番組「江口歩の新潟生事情」にハンセン病関係者に出演してもらいました。
まだまだ差別されている現状を赤裸々に語ってもらいました。
アメリカで臓器移植しなければならない方をお呼びしてラジオ番組で紹介しました。
「免疫革命」の安保徹さんをゲストにお話をお聞きしたこともあります。
それらはいずれも単発な紹介ではありましたが、我々の活動にプラスになっています。
現在、薬剤師、医師らとNAMARAが予防医学の新しいビジネスの創造に向けて勉強会を始めています。

「こわれ者の祭典」は何度もコラムで紹介しましたがどんどん大きくなっています。
全国放送に何度も取り上げられるようになっています。
先日も横浜市社会福祉協議会から依頼があり、プチこわれ者の祭典を行いました。
実は今月20日にも新宿で「こわれ者の祭典」を行います。
年末にはこのイベントの本「病気だよ!全員集合」が全国発売されます。

私は福祉のプロではありません。
「笑い」を創っている者です。
しかしなぜか福祉との関わりが大きくなっています。
それは安保徹さんが述べられていますように「笑い」は「身体」に良い。
そしてこのコラムにも何回か書きましたが「笑い」はコニュニケーションを円滑にします。
とくに私は福祉に関わるあらゆることが正しく世の中にアナウンスされていないように思います。正しく伝えていたとしても伝わりが薄いような気がします。
そこに必要なのが「笑い」のような気がします。

 
vol.15
  11月8日(土)こわれ者の祭典東京公演決定
2003-11-04
 

 

(福)新潟県身体障害者団体連合会発行の「県身連だより」に原稿依頼があった。
そこにNAMARAが新潟県介護福祉士通常総会及び公開研修会に参加した写真を掲
載したところ早速イベントの問合せがあった。
この10月だけでも、「臓器移植フォーラム2003in赤泊」「糖尿病シンポジウム2003inにいがた」ノイベントに参加。ますます笑いの重要性を感じるこのごろ。
さて、さて、このコラムでも紹介した「こわれ者の祭典」がいよいよ東京で行われることになりました。


「病気」から回復した僕たちのメッセージ  こわれ者の祭典

生きることに障害のある者たちが、
障害のある部分をそのままに受け入れて、
そのことを自慢しあい露出しあうことにより、
自分自身の回復へとつなげていく、
生きるヒントの分かち合いの祭典


2003年11月8日(土)
@午後2時30分開場 午後3時開演
A午後6時30分開場 午後7時開演

料金 1500円
会場 三軒茶屋 欽こん館(欽ちゃん劇団稽古場)
    世田谷区太子堂4−4−1 さくらフレンド証券3F 03−3795−5259
    田園調布線三軒茶屋駅下車 徒歩2〜3分/世田谷線三軒茶屋駅下車徒歩2〜3分

主催 新潟お笑い集団 NAMARA事務局
    東京支局 東京都港区赤坂9−6−28 03−3479−6026 
 

司会 江口 歩

出演 月乃光司  高校入学時から対人恐怖症により不登校になる。
            20歳の時、慶応大学付属病院精神科に醜形恐怖症として通院。
            引きこもり生活、通算4年間を過ごす。
            24歳頃より連続飲酒状態になりアルコール依存症になる。
            自殺未遂により新潟市内の精神科に入院。
            その後、アルコール依存症専門病棟に3回丹入院。
            27歳から酒を飲まない生き方を続ける。

    高橋和枝  小学4年生の時「花と話ができる」
            「車に追いかけられる」などの幻覚体験を持つ。
            その頃、不登校になる。
            小学校卒業後、両親が離婚。
            中学校の時、リストカットをする。
            摂食障害の経験あり、
            現在、不登校、引きこもりの方々の訪問カウンセリングを開始。

    木林おず  中学時代後半より強迫神経症(ノイローゼ)になる。
            女の子をレイプするのではないか。
            男と目を合わせるとホモになるのではないか。
            公衆便所で性病がうつったりしないか。
            その他自殺恐怖、対人恐怖、パニック障害を経験。
            そんな苦しい日々、へヴィメタルに出会い、音楽を始める。
            苦しみを歌にすることで少しづつノイローゼが回復。
            現在ノイローゼはかなり回復している。

基本的には「お笑いイベント」です。
ただトークするだけではなく3人のパフォーマンスもあります。
楽しく笑いながら病気について話すこのイベントは全国的にみても珍しいそうです。
ちなみに彼らとトークしたものを収めたラジオ放送が大会に出品され全国二位に輝きました。
もし良かったら遊びに来てください。

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NAMARA事務局

〒950-0907新潟市幸町4-8
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office@namara.tv  http://namara.tv
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vol.14
  こわれ者の祭典 2003-08-27
 

 

新潟県社会福祉協議会が発行している小冊子「福祉にいがた」に原稿を依頼された。
そんな原稿書くヒマがあったらこっちのコラムも書きなさい、と怒られそうだ。
6月に発行された小冊子に、ここのホームページにコラムを連載と紹介してあります。
なのに、更新されていない。・・・すみません。

さて、新潟では「こわれ者の祭典」が話題になっています。
これはNAMARA1年前からやっているイベントです。
簡単に説明します。
精神病で入退院を繰り返した経験を持つ人たちが、自分の病気を自慢し合うお笑いイ
ベントです。もちろん現在はなんとか立ち直った方たちです。
「病気だよ全員集合!!」の掛け声で、こわれ者芸人たちが舞台に集合します。聞き
手は江口。
初舞台は新潟市総合福祉会館。無料ということもあって170人が集まった。
新潟で行われた日本精神障害者リハビリテーション学会の関連イベントにもなり、入
場料1000円取ったにも関わらず100人ものお客さんが来た。

アルコール依存症。
統合失調症。
自殺未遂。
ノイローゼ。
拒食症。
セックス依存症。
などなど、様々な病歴を持つ者たちと接した1年。

彼らと一緒に作ったラジオ番組が全国の出品番組で二位に輝いたり、新潟日報事業者
から彼らが語ったものが本として出版されたり、こわれ者CDを発売したり、新潟で
はちょっとした有名人になっている。
現在、あるテレビ局がドキュメンタリーとして追っかけている。

お笑いと精神病患者。
不謹慎だ、といわれそうだが、どういうわけか盛りあがっている。

いまでは精神障害者だけではなく、身体障害者や引きこもりや不登校児らも含めてイ
ベントを繰り返しやっている。


病気を商売にしている。
病気を見世物にしている。
こんな感想を持つ人も多いだろう。

実は私も大した事はないが障害者五級である。
大した事はないがあまり歩けない。
でもそれをネタにしている。

自分の負の部分を受け入れてギャグにすることで救われることもあるのだ。
こわれ者芸人たちは、はっきりいって芸のレベルは低い。
ただその人間生き様が芸だとしたら、かなりの芸人である。

歌を歌う者。
詩を読む者。
絵を書く者。
映画を撮る者。
音楽を作る者。
こわれ者芸人は、何かを表現したい人ばかりだ。
表現そのものでは人は集まらない。
だが、これまでの経験を語ることによって人は集まる。

これまでの稚拙な表現に経験談をプラスすると解放感も増す。

どうやら「こわれ者の祭典」はこわれ者芸人のリハビリのようです。
それにお客さんが集まりお金を貰うのだから詐欺行為かもしれない。

でも、イベント終了後必ず数名、芸人希望者が現れる。