<開業小話>
   vol.4 出産体験座談会
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ルピナースの理事長は助産師である。子育て応援団アサンバと命名した子育て支援事業にも力を入れることになった。「いいお産の日」には出産体験の座談会の司会を務めた。

そこでは、出産の体験を語りたい、聞いて欲しい。普段はなかなか聞く事のない他人のお産体験談。立会い出産した夫の感想などがざっくばらんに話し合われた。高度経済成長とともに、お産も家庭から病産院の分娩室という閉ざされた空間の中に移行していき、母子の安全は守られるようになったが、一方で医療という特別な枠組みの中で産む人の思いや悦びとはかけ離れたものになってしまい、主役は産む人と生まれる人という原点が多いに再認識された会であった。人の誕生と人の最期には共通点が多い。納得や満足のためには主役が中心となり、自立した選択がなされなければ不可能なことだろう。私は在宅看護に長く携わり在宅での看取りや高齢者に接する機会が多かったが、いのちを取り巻く様々な分野に関心を寄せ、これからの看護を改めて考えてみようと思った。


         

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